『ゲンロン0 観光客の哲学』読書ノート:旅人でも観光客でもないモノ#02
前回↑の続き
では、私は旅人として旅をするべきなのか、それとも、観光客として観光するべきなのか。そもそも旅人という概念はもはや哲学の世界にしか残っていないのではないか。
まず、旅行というものの偶発性について考えてみよう。旅行というものはマクロ的に捉えた場合、政治や経済と密接に関わる問題である。日本の経済はいわゆる爆買いの中国人に支えられているし、訪日外国人の数値目標を政府は設定する。一方で、ミクロの視点では、旅行客の行動は文学的—少なくとも政治的ではない―だ。目的を持たない人々がショッピングモールをぶらつくように「ふらふら」物見遊山するだけである。合理的な理由や必然性はなく、そこには偶発性がある。旅であっても観光であっても各旅行者がそこで何をして、誰と交流して、何を感じるのかは誰にも分らないのであり、旅行とは偶発性の連続と言えるはずだ。
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旅行に出るにあたって色々なことを考えなくてはいけないし、考える機会が増えた。ルートを決めたり装備を決めたりというような実践的なことも勿論だが、旅という行為そのものについても、考えることがある。人間にとって私にとって旅とはなんなのか。今から行く私の旅は一体何なのか。考えるのだけども、答えは出るものではない。そんなこともあって、旅に関する本を読み、その記録を書き留めたく思い、「読書ノート」の場所を作った。本来、人に見せなくてもいいのだけれど、目的がないとなかなかやる気にならない性分で、折角書き起こしたのなら誰かに見せたい。そういう思いでこれをブログに載せているので、この読書ノートは大仰な書評ではなく走り書きやメモを見るような気軽さで読んでほしい。
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