敦賀=京都を歩く。地獄の90キロ行軍#01
前回↓の続き。
(前回までのあらすじ)パミールを歩くという突飛な発想に大志を燃やすれそくん。歩いてみるとかどんなものやろ、と100キロくらい歩いてみることに。。。
100キロ歩く。
とりあえず100キロ歩くと言っても、そんな経験もないし一人だと何かあった時に不安です。そこで誰か一緒に歩いてくれる酔狂な人間はいないものかと思っていたら、まあなんと、いました。
大学の同じクラスのぽるクン(かぎじゃないあか (@east1_kn02) | Twitter)です。
ぽるクンは水戸出身だから水戸クンと呼ばせてもらいます。水戸クンはなかなかに変わった人間で暇さえあればずっと旅をしていて、旅をしすぎて京都にいる時間の方が短いんじゃないかとさえ思うほど。
そして、なんと高校時代に学校行事で数十キロを歩いた経験があります。まさに歩くのにうってつけの人材じゃないか!
ということで、一縷の望みをかけて彼に訳の分からない打診をしてみました。
「一緒に歩かないか?」
「メシ代と交通費出るならいいよ」
と水戸クン。どうやらバイトか何かと勘違いしているようです。
二人で100キロぐらい歩くことになりました。
ルート
二人で歩くことは決まりましたが、
で、京都から100キロというとどの辺りなんだろう。
ちょいと調べてみると、京都から南に100キロ弱を行くと関空あたりで、西に行くと兵庫県三田市、東に行くと三重県鈴鹿市、北へ行くと福井県敦賀市でした。
で、敦賀にしました。パミールの練習の意味を込めて山を越えてみたかったのも大きかったですが、なんとなく日本海が見たくて。「日本海から歩いて帰ってたんだ」のパンチライン強いなって。
もっとも、この目論見はあっという間に破棄されることになるのですが。
で、どのような感じで歩けば良いのか。
これもちょいと調べてみると、歩兵の世界ではどうやら一日60キロが持続可能な行軍距離らしいということでした。でも、東海道走破をしているブロガーさんの記事などをみると一日だいたい30〜40キロ移動が多かったです。
うーん、倍も差がある。
これどうしたものかと思って、仕方ないから古典にあたります。ずばり、コリンフレッチャーの「遊歩大全」!まぁみなさんご存知ですね()。
「遊歩大全」は70年代に出版されたハイカーのバイブル的な本で、作者のフレッチャーさんはカリフォルニア3000キロ縦走とかやってる色々ヤベえ人。そのうち読書記録でもあげたいと思います。
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そんなこの本では歩行距離について「最初は少しずつ、慣れてきたら距離を伸ばして自分の距離を見つけようと 」と書いていました。
うん、まさに、正論。
いや、正論なんだけど、正論すぎて役に立たない。
こちとら100キロ歩くことは決まっとるんじゃ!!優等生フレッチャー君は明日夏休みの計算ドリルの宿題を提出しなくちゃいけない僕らに公式の定義を手トリ足トリ教えてくれますが、正直、僕らはただ答えだけ教えてもらえたらええのですわ!!そーゆーとこだよフレッチャー君。
そうこうあって、とりあえず後先考えなければ90キロ歩けるのではないかという結論に至ります。だいたい1時間に5キロ歩くのが目安だがら、休憩を含めると20-22時間歩くく計算です。
ここで少し足がすくみ出しました。でも、水戸クンには「いけるやろ」と言っておきました。
総距離91.4キロ、実際のルートは下の画像の通りです。ちなみに、アルファベットは休憩地点でおよそ5キロごとにあります。
ルート上の問題は福井と滋賀、滋賀と京都の間にそれぞれ山があってそこにはとりたてて休憩できるスポットがなく、交通機関がないこと、すなわち、歩き続ける必要があること。
そして、滋賀県にいる間は基本的に深夜なので店がほとんど空いておらず、すなわち、歩き続ける必要があること。
すなわち、歩き続ける必要があることでした。
やっぱり、足がすくみましたが、水戸クンには「いけるやろ」と言っておきました。
「京都に帰ろうよ」
当日、12月9日。京都は快晴です。
僕と水戸クンは12時半ぐらいに地下鉄三条駅に集合し、一路敦賀を目指します。
途中で水戸クンが「京都に帰ろうよ」と言ってきますが、無視します。残念ながら彼に拒否権はありません。金はこっちが出しとるのです。
そうこうしているうちに列車は福井に入り、途端に天候が悪くなります。到着してみると敦賀は小雪が舞ってます。
水戸クンが「京都に帰ろうよ」と言ってきますが、もちろん無視します。
駅からは1500メートルほど移動して海岸まで行くつもりでしたが、せっかく敦賀に来たのでその途中の「ヨーロッパ軒」のソースカツ丼を喰らうことにしました。ソースカツ丼を平らげると、お腹もいい感じです。
そして僕らは思います。
「別に海岸まで行く必要なくね」
で、地獄の行軍はここ、ヨーロッパ軒駅前店から始まることとなりました。こうして日本海の夢はそうそうに破棄されました。1キロの妥協いや、節約です。
時刻は15時をまわったところです。
(続く)