岐阜から東京まで歩いた話01

 

ressoryankyoto.hatenablog.com

 (前回↑のあらすじ)継続的な行軍の経験不足を実感した僕は、岐阜から東京まで歩いてみることに。

 

プロローグ

 昼下がり。太陽を背に、眼下には水面。右から左に吹き付ける風、海から湖へと吹き付ける風に吹かれながら歩いています。遥か前方を一人の影が歩いていきますが、それは近づきも遠ざかりもしませずにずっと同じ速度で歩いているようです。そして、両脇を信じられない速度で通り抜ける自動車たちと新幹線。

 

歩き始めて二日目の15時。

 

浜名湖

 

今日のゴールの浜松駅までは残り17キロ。

 

今日は豊橋駅から22キロ歩いてきたので、いよいよ行程も佳境です。快晴のもとで思うことはただ一つ。

 

「さわやかにいきたい」

 

岐阜から名古屋

 京都に住んでる人間が東京へ行くのに、なぜ岐阜からスタートするのか。言っちゃ悪いが中途半端じゃね?岐阜って。はい。全く持って同感でございます。岐阜って。何があんだよ(岐阜の人ごめんなさい)。岐阜からスタートしたのは、単純に岐阜に友人が住んでたから。

 

前日に友人の家に泊まって、翌日の朝。岐阜駅からスタートです。この日のゴールは名古屋駅。おそそ30キロの行程です。

 

ひたすらに平らな濃尾平野を幹線道路沿いにひたすらに行きます。

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チェーン店の看板が並び立つ景色が続き、僕は一人。水戸クンも高槻サンもいません。

 

うん。たのしくないわ。

 

開始10キロではやくも後悔に苛まれ思います。「なにやってねやろな・・・」

 

とはいえ、歩き出したものは引き返すことは出来ません。歩き続けます。楽しくもないのに、必要もないのに岐阜から名古屋まで歩いている一人の男。傍から見たら意味が分かりませんね。当然です。自分だって意味わかんねーよ。

だんだんイライラしてきた僕。でも大丈夫。こんなこともあろうかと対策を講じてきたのです!

 

やっぱり、リラックスしかたったり元気になりたかったりする時は無限に聴くべきだと思うんですよ。アイドルソングを。

 

そこで、アイドルソングを無限に聴くため、この時のために僕は音楽ストリーミングサイトspotifyの有料会員に登録したのです!これでアイドルソングが聴き放題だもんね。とりあえず乃木坂のアルバムを片っ端からいってきます。

 

この作戦、大成功しました。それまでの陰鬱なムードが吹き飛んで、歩いているそこは県道190号ではなく、最早、さいたまスーパーアリーナ

 

もうその時は自分のこと天才軍師かと思いましたね。諸葛孔明黒田官兵衛、れそくん、ですよ。ええ。

 

そしてアルバムを一通り聴き尽くす頃には、遠くの方に名古屋のビル群が望めるほどに。

 

目標が見えると途端に足取りが軽くなるもので、そうするともう名古屋市街地でした。景気づけに「サライ」なんか聴いてみちゃったりして。気分は24時間テレビのマラソンランナーです。きっとゴールの名古屋駅前で桝アナとジャニーズの面々が僕を待ち構えていることでしょう。

 

・・・待ち構えていませんでした。駅ビルで台湾ラーメンを食べて、駅前のネットカフェに泊まりました。で、1日目終わり。

 

豊橋から浜松

翌日。始発の名鉄に乗って豊橋へ向かいます。この日は浜松、友達の家までの37キロを歩きます。朝7時の豊橋駅で、寝ぼけながら食べる小倉トーストの甘み。

 

通学の中学生がヘルメット姿で自転車を漕ぐなか、豊橋を発ちます。

 

スタートからだらだらとした上り坂が10キロ以上続きます。そして、スタートから5時間。丘陵を越えるとそこはもう静岡県でした。

 

静岡、それは徒歩者にとって無限に長い県。ここで僕にはやりたいことが1つありました。

 

みなさん、「さわやか」をご存知でしょうか。

 

形容詞じゃなくて名詞の『さわやか』。静岡県下にその名を轟かす『さわやか』。

 

さわやか、それはハンバーグ。静岡県民が愛してやまないハンバーグ。の割に県外知名度がないさわやかハンバーグ。なんてったあって僕も大学に入るまでその存在を知りませんでした。大学に入ってから、浜松出身の浜松サンがあんまりにも「おいしい、おいしい」言うもんだから絶対行ってやろう、そう思ったハンバーグ。

 

ということで、静岡県にしか店舗が無い「さわやか」の最西端、新居湖西店へ。

 

いざ、いかん!

 

「90分待ちとなっております」

 

はいっ、おしまい。

 

おいおい、たかがファミレスやぞ。そこまでして食べたいものなのかよ。もういいやハンバーグは。いいや。

 

ちなみに・・・次の店舗まで14キロ。徒歩だと3時間。うーーーん。

 

 

 

〈二時間後〉15時。そう、プロローグに戻ります。僕は浜名湖を歩いていました。思うことはただ一つ。

 

「さわやかに行きたい。」

 

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(続く)