敦賀=京都を歩く。地獄の90キロ行軍#01

前回↓の続き。

(前回までのあらすじ)パミールを歩くという突飛な発想に大志を燃やすれそくん。歩いてみるとかどんなものやろ、と100キロくらい歩いてみることに。。。

ressoryankyoto.hatenablog.com

 

 

100キロ歩く。

 とりあえず100キロ歩くと言っても、そんな経験もないし一人だと何かあった時に不安です。そこで誰か一緒に歩いてくれる酔狂な人間はいないものかと思っていたら、まあなんと、いました。

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荻野千尋の親になれない僕はヴィレヴァンに行く。

 

 アナーキーアンダーグラウンドなもの

   某友人に誘われたので、鞠小路通りに店を構えるちょっと変わった飲み屋へ行った。どう変わっているのかというと、内装がすべて廃材を集めて作られている。トイレにはどこから拾ってきたのか見当もつかない仮面やらフィギュアやらが所狭しと並べられておりちょっとした廟のようで、二階には極彩色の提灯が連なり、人体模型が垣間見える。一見するとセンスの悪いラブホテルのようで、どう見ても妖しい。人に例えると、千と千尋の神隠しの湯婆婆のごとき妖しさである。

 

 そんな湯婆婆の店だから、客も一筋縄ではいかない。その日、その店でイベントが開かれていたこともあり全国津々浦々からちょっと変わったのんべえが集まっていた。中には北海道からこの日のために上洛した人もいて、まさに湯婆婆の元に癒しを求め八百万の神が集まるように、左京区に八百万のへべれけが終結した。ふと脇を見ると、ヘドロにまみれたオクサレ様がいて、ヒヨコみたいなアイツもいる。そして僕はそんな油屋に身を置いた千尋改め千の気分だ。へべれけの神々は浮世離れしたそこはかとない雰囲気を纏っていてほんとうにもう神様なんじゃないかと思ってしまいそうになる。直截な物言いを憚らずに平たく大方の予想通りに正直に言ってしまえば、つまり、彼らはダメ人間なのである。ダメ人間たちはほんとうに旨そうに酒を飲んで、ほんとうに楽しそうに歌を歌う。もし、僕がヘミングウェイならこの場所を移動祝祭日と呼ぶのではなかろうか。

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