岐阜から東京まで歩いた話02

 

(前回↑の続き)

 

豊橋から浜松

午後四時前。「さわやか」浜松高塚店。閑散とした店内。

 

ただ「げんこつハンバーグ」を思い続けて一時間歩いた或る男の目前に「げんこつハンバーグ」が置かれます。目の前で店員さんによって切られ、押し焼かれ、音を立て、肉汁を撥ねさせる「げんこつハンバーグ」。僕は「肉汁のはねが治まるまでお持ち下さい。」と店員さんに促されるまま肉汁が自分にかからないように紙マットの端を持ち上げてただ待つのみです。ようやくハネも落ち着いていざ、ついに、ようやく、やっと、「げんこつハンバーグ」を食べます!!!!

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烏魯木斉の映画館で「万引き家族」を観る(ウルムチ・後編)

 

烏魯木斉でやったことと言えばこれに尽きる。

万引き家族」といえば是枝裕和監督作品でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞したことでも名高い2018年の注目の映画の一つである。烏魯木斉の片隅に或る「十月影剧院」という映画館でこの作品を観た。「万引き家族」。大前提として万引きは間違いなく犯罪行為なのだけど、正義とは何か。正しさとは何か。を問うてくる作品で、リリーフランキー安藤サクラの演技もさることながら子役の二人の演技やキャラクター設定の妙が光っていたし、即物的な魅力を挙げるなら松岡茉優のビキニ姿の谷間だけが大写しになるシーンが数秒あるよ!見てね!といったところだろう。つらつらと「万引き家族」の魅力や感想を書いてもいいのだけれど、僕に求められているのはそっちじゃない気がする。多分、「なぜ僕が中国の果ての映画館でこの作品を観ることになったのか」だ。また、こんなことを言われそうだ。おい、観光もせず、海外っぽいこともせず、何してんだよ、よくそんなんで烏魯木斉にまつわる生意気な雑文投稿してんな、と。あぁ。お前の言い分は分かる。充分に分かるから、俺に言い訳をさせてくれ。

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ブログのタイトルを冠した街にまつわる幾つかのメモ書き(ウルムチ・前編)

  ここにご覧いただく文章は、ウルムチにまつわる小賢しい思考の断片と、それを全く裏付けないウルムチでの自堕落で無意義な生活の表象である。この文章は、日々記事を書こうと考えていたことを書き留めたメモに当たる前編と実際の行動に当たる後編に分かれている。ウルムチについての何か有益な情報を求める皆様の為に前もって断っておくと、これはウルムチにいた私についてのブログであって、ウルムチに関するブログではない。彼の都市名をブログに冠しつつもこのように無益な内容となっていることはご容赦願いたい。 

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岐阜から東京まで歩いた話01

 

ressoryankyoto.hatenablog.com

 (前回↑のあらすじ)継続的な行軍の経験不足を実感した僕は、岐阜から東京まで歩いてみることに。

 

プロローグ

 昼下がり。太陽を背に、眼下には水面。右から左に吹き付ける風、海から湖へと吹き付ける風に吹かれながら歩いています。遥か前方を一人の影が歩いていきますが、それは近づきも遠ざかりもしませずにずっと同じ速度で歩いているようです。そして、両脇を信じられない速度で通り抜ける自動車たちと新幹線。

 

歩き始めて二日目の15時。

 

浜名湖

 

今日のゴールの浜松駅までは残り17キロ。

 

今日は豊橋駅から22キロ歩いてきたので、いよいよ行程も佳境です。快晴のもとで思うことはただ一つ。

 

「さわやかにいきたい」

 

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お詫びと開き直り、或いは私信

 先日、投稿いたしました「世界一周初日のはなし」において一部の方を不愉快にさせてしまった発言がありましたことをお詫び申し上げます。

 

ほぼ一か月ぶりの投稿にも関わらず、世界一周初日の投稿にも関わらずAVの話しかしていないというご指摘、甘んじて受け入れさせていただき、今後のブログ記事の内容に関しては更なる熟慮を重ねたものとできるように邁進していく所存です。

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